







発行年:2025年
発行:ブックエンド
判型:270mm×223mm
言語:日本語/英語
エディション入り
前作『カスババ』(大和プレス、2011)以降に撮影された写真を収録しています。
「カスババ」とは、カスのような場所を略した、「カスバ」の複数形として、作者が作った造語です。
どこかで見たことのあるような、既視感のある街の景色のスナップ群。作者が日常の中で、歩行しながら、「写欲を萎えさせるどうしようもなくつまらない場所」=「カスバ」を撮影しています。
「イメージに良いも悪いもなく、全てに魂が宿っている」と展覧会のオープニングで語られていたことが印象的でした。全ての事象に等しく目を配り、写真にする作家のスタンスが一冊を通して現れていて、風通しよく心地よいです。
前作よりも判型が小さくなり、軽やかな印象があります。
マーク・フューステルさんによる論考と、作家自身による「イメージ」をめぐる所感が収録されています。
「目の前には本物がある。ゆえに直接それを眺めれば済む話なのに、なぜ写真にすると面白く感じるのか。当時はわからなかった。しかしいま改めて考えてみると、当たり前に目の前にあるものが機械的に虚構化されて現れる。その転換が面白かったのである。」
(鷹野隆大「KASUBABA 2:2011-2020」より)