





出版社:bookshopM
写真・言葉:岩根愛
編集,造本設計:町口覚
製本:並製本糸中綴じ
ページ数:32(写真点数33点)
サイズ:168×237mm
発行年:2024
※エディションはお選びいただけません
ふくらんだ 先端から、やがて一本の細い流れが溢れ出す。
寄せては返す満潮の波は次第に引き込み合うように近づき、ついに堰き止められていた川の先端が海へと決壊した。
その瞬間、干潟に溜まっていた水が一斉に海へと向かっていく。
見たことのないような 渦が生まれ、消えて、波へ、海へと引き込まれていった。
生き物のようなうねりがあちこちへと這いまわり、やがて一時間ほどで渦は消える。ずっとそこにあったかのように川は海へ注ぎ、大きく、太くなっていった。
私はいま、再会したマトールの河口に立つ。
新しい流れが、私の内でもいま、開いたところだ。
(作家ステートメントより)