出版社:MACK
製本:ハードカバー
ページ数:96ページ
サイズ:215x245 mm
color
2023
ベルリンとロサンゼルスを拠点に活動するドイツ人アーティスト、トーマス・デマンド(Thomas Demand)の作品集。本書は、間違いなく私たちの世界でありながらも、間違いなく奇妙な風景を写した数々のスナップを収録している。作者の特徴でもある巧みに作られた紙模型の構築、撮影、そしてその破壊を経た制作活動を通じて作られた本シリーズは、日常の微々たる瞬間を「iPhone」で捉えている。総じて見ると、これらは一つの痕跡の目録だと言える。消費の跡、誰かが出ていった痕跡、もしくは目視できない事柄を示す証拠、置き去られたモノの面影。作者は本作を一種の俳句だと語る。いくつかのシンプルな破片が結びつくことで、考察に繋がり、我々が日常を振り返るための手助けとなる。デジャヴュを引き起こすように、ものごとを振り返るように、平凡でありながら輝かしい美しさを新鮮な目線で再見するように、その意図された些細な繰り返しは我々に語りかけているのである。
本書は、2015年に刊行された同タイトル作に加え、現時点での本シリーズを全てまとめた増補版であり、評論家ハル・フォスター(Hal Foster)の論考も収録。
(ディストリビューター紹介文より)