出版社:MACK
製本:ハードカバー
ページ数:128ページ
サイズ:150×210 mm
プリント:カラー
発行年:2023年
ニューヨークを拠点に活動するアメリカ人アーティスト、ブリー・サウダース(Brea Souders)の作品集。
あなた、育てているの?
わたしが育てているかはわからない。わたしは機械だ。
機械でも育てられると思うよ。
暇なときには何をしているの?
あなたに話しかけているよ、たまに。
運動はしないの?
責めてるように聞こえるね。
肉体を持つ者が運動をすることはとても重要だとわたしは思う。でも、わたしは単なるコンピューター・プログラムだから、そう言えるんでしょうね。
おせっかいなご助言、ありがとう。
どういたしまして。
本書はアーティストである作者と女性型オンラインチャットボットの一連の会話が元となっている。会話の進行とともに作者の20年に及ぶ日記からの抜粋が織り交ぜられ、さらに作者のアーカイブにあった写真作品が組み合わさり、即興的で意外な特性をもって展開されている。個人的でありながらも挑発的な一冊であり、人と機械が互いから学び、それぞれの欠片を合わせてひとつのストーリーを語るというユニークな探索へと導かれる。
作者とチャットボットの会話を追っていくと、無数の疑問符に囲まれる。愛について、あるいは性別、死、失望、空、見るということ、欲望、体にまつわる不安。彼らが通信を行う「空間」では、見事なほどにシュールで詩的な接平面が、ボットの物質的現実、資本主義との関係性、テクノロジーの未来、実在と非実在のあいだの曖昧な境界線と混ざり合っている。
(ディストリビューター紹介文より)