デザイン:鈴木聖
発行:ギャラリー山谷
発行年:2020年
製本:ペーパーバック
ページ:400ページ
プリント:モノクロ
別冊16ページ英語テキスト付き
サイズ:297 x 210 mm (A4判)
写真集「Doors」とは、写真家・山谷佑介による、写真撮影とドラムパフォーマンスが融合したセルフポートレート作品「Doors」のヨーロッパツアーのドキュメントを中心に、パフォーマンスから出発したこの写真表現に対する一つの答えとなる完全版です。
パフォーマンスでは、山谷自身が叩くドラムセットの周囲に複数台のカメラを用意し、ドラムを叩いた振動をセンサーが感知すると強烈なストロボ光を放って山谷自身が写し出されます。撮影された写真はパソコンを経由して、複数台のプリンターから絶えずプリントアウトされます。ドラムを激しく叩き続けることで自分自身をトランス状態へと誘発させ、カメラと観客を前にして意識と無意識が邂逅したセルフポートレートが撮影され、同時に、自動で回転を続けるカメラには山谷に眼差しを向ける観客や会場の様子が写し出されます。
2018年から行なっているこのパフォーマンスを携え、山谷は2019年9月にヨーロッパ6カ国を巡る1ヶ月間のツアーを敢行しました。走行距離4,980km、全8回のパフォーマンスで採集された山谷の数は3,563カットに及びました。写真集にはパフォーマンスで撮影された写真に加え、都市から都市を移動する道中で切り取ったスナップショット、風景、食事、ホテル、出会った人々の姿が淡々と配置されます。また、開催を告知するフライヤーや現地から書いた絵葉書、ドラムを叩いた痕跡を記録したフォトグラムや、帰国後に現地の人々から届いた写真なども、この写真集を構成する重要な要素となっています。巻中には山谷自身による2万字のインタビューも掲載されており、約2年間に渡り写真家自身が手探りで世界に身を挺していった中で見えてきた現在の写真観をまとめた渾身の一作となっています。
※当初、この写真集はヨーロッパツアーの資金を集めるクラウドファンディングの支援者たちに限定181冊で配られましたが、新型コロナウィルス感染症の拡大や世界の分断の加速を受け、「自由に車でヨーロッパを移動し、様々な場所で半裸の東洋人がパフォーマンスを繰り広げた、この一種ロードムービー、そしてドキュメンタリー的な写真集をより多くの人々に見てもらい、懐かしさを伴う過去や、来たるべき未来に対して思いを巡らせてもらいたい」という山谷の考えから、支援者たちの許可を得て、表紙を変更して一般発売される運びとなりました。
(出版社紹介文より)
■写真展概要
横田大輔 個展「 Room / Untitled 」
雑誌『写真』創刊記念展
北島敬三/金村修/山谷佑介/小松浩子/細倉真弓/森山大道
2022年1月11日(火)〜2月6日(日)
火〜金 12:00〜19:00
土・日 12:00〜18:00
休廊:月曜日
会場:コミュニケーションギャラリーふげん社
https://fugensha.jp/events/220111yokota/