藤岡亜弥『私は眠らない』
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藤岡亜弥『私は眠らない』

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出版社:赤々舎 判型:245 x 370 mm 頁数:96頁 製本:ハードカバー 発行日:2009 アートディレクション : 坂川栄治 本書は2000-2006年にかけて東京で生活する藤岡が、呉市(広島県)の実家に帰省する度に撮り続けた写真をまとめたものである。 祖父の頭部を真上から捉えた表紙に度肝を抜かれ、冒頭の階段の写真によって藤岡ワールドに否応なくひきこまれていく。 見慣れたはずの家族の横顔をふと疑う瞬間 私が立ちつくし 何度も何度も出会い直す風景 あとがきで藤岡自身が語るようにそこに繰り返し現れるのは、日常のふとした瞬間に立ち現れる違和の感覚である。 ことに長年美容師をしているという母親は、藤岡の違和の集積のように繰り返し登場するが、顔は見えない。 突然無心にフラフープに興ずる。こどものように客船のシートに座り込み遠くの水平線を見つめる。パックした顔でワインを飲む。細くささくれだった魔女のような赤い爪。 どのショットも故郷の母親像をみごとに裏切り、不気味に心を揺さぶる。 もうひとつ繰り返し印象的に登場してくるのは、赤い三角屋根の建物(老人ホーム)を様々な場所から遠景でとらえたショットである。呉市のどこからでも見ることができる建物だが、不思議な地形の場所に存在し、呉市のどこからでも見えるが、なかなか近づくことができない建物らしい。 繰り返し登場する母親とこの赤い屋根の建物は、生きること、人間存在の不可思議を象徴する存在として見るものを困惑させ恐怖すら感じさせる。 本書は、誰もが、決して片付けることのできない血縁や故郷という奇妙な存在を、大胆な構図とイメージの繰り返しで見事に表現した傑作写真集である。