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マリー・ホール・エッツ『ロベルトのてがみ』

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マリー・ホール・エッツ 好学社 ¥1600(税別) ロベルトは貧困地区に住む移民の実在の少年がモデルです。 メキシコ移民のロベルトの家族はアメリカで暮らしていますが、英語が話せません。 ある日、お父さんとけんかしたお母さんがいなくなって、ロベルトは「子どもセンター」で過ごすことになりますが、だんだんともだちもできて英語も覚えます。 ロベルトは習いたての英語でお母さんに手紙を書きます。 移民が多く住むようになった時代のアメリカに、メキシコから5人の子を連れてやってきたスペイン語しか話せない家族の物語を、作者はやわらかな鉛筆の線で淡々と描きます。 マリー・ホール:エッツはアメリカ・ウイスコンシン州生まれで、ニューヨークの美術学校を卒業後、インテリアの仕事に就きますが、その後社会福祉の仕事を志し、シカゴ大学で社会学を学びながら、約10年間セツルメント活動(貧民地区の住民の生活全般の援助をする社会事業)に従事しました。ロベルトは、そのころに出会った実在した子供がモデルです。 貧困地区に暮らす移民の暮らしを綴る作者の目は、活動家としての実体験に裏付けられたものです。1967年の作品ですが、ロベルト少年の成長を通じて私たちは貧困問題にひとつの希望を見ることができます。言葉を覚えることは、大切なひとに愛を伝える喜びを知ることです。貧困の光と影を淡々と綴る名作絵本として、小学生高学年からおすすめします。

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