









安井仲治
国書刊行会
2005.5
43.6×32.4×4.8
本書は、戦前の日本を代表する写真家、安井仲治(1903-1942)の代表作を集めた写真集(1942年刊)の完全復刻版です。作品50点を閉じずに函におさめたユニークで美しい製本です。テキストは飯沢耕太郎と金子隆一。帯文は森山大道。
安井仲治から、日本の写真が始まったというのが僕の変わらぬ思いだ。その視線の幅の広さと奥の深さ、その思想の自由さと柔軟さは他に類を見ない。いま、日本の写真は世界中の多くの人々に共感されている。そのことの源流へと遡行し辿ってゆくと、ひときわ巨きく連なる“仲治山脈”の青くたおやかな峰が目に映る。安井仲治こそ、まちがいなく“日本の写真の父”だと、いま、僕は改めて実感する。(森山大道)