著者:土田ヒロミ
出版社:みすず書房
発行年:2018
サイズ:298 x 298 mm
ページ数:195P
土田ヒロミは、1939年生まれの土門拳賞受賞作家であり、本書『フクシマ』は、昨年みすず書房から出版された土田ヒロミの最新著作である。
長い時間をかけて人の手によって作り出されてきた、福島の里山の風景。その美しい風景から人が退避しなければいけない事態が続く。
福島第一原子力発電所事故のための除染作業により徐々に変わっていく風景の記録、自然と人との共生が崩れていく記録は、人類の未来の予兆が写っているのかもしれない。
原爆の破壊から逃れた橋や樹木などをモニュメントとして長年定点観測した写真集などから成る「ヒロシマ」三部作や、ベルリンの壁崩壊後の微妙な風景の変化を捉え独自の手法で表現した「BERLIN」シリーズなどで知られ、長年に渡り各地の様子を記録し続けている。
人類の歴史において重要な都市が年々変化していく様子を、写真に収め続けてきた写真家が切り取る、3.11以降の福島の記録である。