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出版社:赤々舎
サイズ:252mm×187mm、240頁
出版年:2017年
価格:5000円(税別)
第27回林忠彦賞、第43回木村伊兵衛賞受賞
7本の川が流れるデルタ地帯に原爆を落とされてから70年以上の時が経過した広島。
作者は、その川べりに自ら生活しながら歴史と今、社会と個人の関わりを写真のなかに発見していきます。
写っているのはどちらかと言えば、平和な日常を切り取った何気ないスナップですが、巻末に置かれたエピグラム「川は血のように流れている 血は川のように流れている」が語るように、1945年8月6日、原爆投下そのときに死者たちの血で染まった広島の川の記憶は、ここで暮らす人々の体のなかに深く刻まれています。平和な日常の裂け目から現れくる死者の記憶は、繰り返し現れる折鶴のイメージのなかに、あるいは夏の日の抜けるような青空の眺めに、公園の白塗りのパフォーマーに、カープファンの赤い声援に、川に向かう女の赤いワンピースに表現されています。